今回はそもそもICT化とは何か?DXとの違いを解説していきます。
目次
「ICT」とは
1995年Windows95登場によって、企業でのIT化は劇的に進んできました。社内外のやりとりはメールを使用し、紙媒体の書類や資料はWordやExcelにシフトされるなど、業務においてPCを利用するシーンが多くなりました。
ICTとは「Information and Communication Technology」の略語で、情報を扱う技術または、それらの情報を活用することを指します。
従来は、デジタル化のためのインフラや情報技術のことを「IT:Information and Communication Technology」と呼んでいましたが、ICTはITと同義で使われるようになっており、OSやアプリケーションなどのソフトウェア、それらをつなぐネットワークなど幅広い技術を指します。
近年では海外でも日本でもITよりもICTという語を使うことが多く使われるようになり
財務・会計、人事・給与等のバックオフィスが用いるシステムや顧客管理システム、販売管理システムなど企業内で使われているシステムのほとんどがICTの活用といえます。
20世紀後半からのインターネットやスマートフォンの普及によって既に世界的に浸透しており、日々の生活やビジネスにおいて広く利用されてきました。たとえば、SNS、メール、チャット、スマートスピーカー、勤怠のタイムカード、スマートフォン・タブレット、交通機関のICカードなど、情報をやり取りするためのサービスやツールがICTに含まれます。
注目されているICT化
ICT化が注目され始めた要因はさまざまですが、大きくは働き方改革にあり、政府主導の残業時間削減や有給休暇の義務化など働き方改革推進に加え、コロナ禍による働き方の変化によって、「働き方改革」への意識は一段と高まっています。
ICTの導入は業務の効率化や自動化による労働時間の削減を推進すると共に、残業や休日出勤などをなくし、ワークライフバランスの実現にも繋がります。多くの企業が働き方改革を推進するうえで重視していることとして、「遠隔コミュニケーション」などのICT導入をあげています。
ICT化で得られる効果
ICT化は日本でも海外でもすでに進み、社会にも当然のように受け入れられています。
実際に、インターネットを利用するICT化は人と人とを繋ぐことが距離に関係なく可能にり、距離的な障壁を大きく取り除きました。
ここでは、まずICT化で得られる効果について紹介します。
①コミュニケーションが円滑になる
チャットツールの利用は、メールよりスムースで速いやり取りが可能となります。ファイルのやり取りもスムースにできるので、スピード感を大切にしたいコミュニケーションで効果を発揮し、離れた相手ともまるで対面で話しているかのように円滑なコミュニケーションが可能になります。
②働き方の多様化を実現できる
ラップトップパソコンやスマートフォンなどのモバイルツールとWi-Fi環境さえあれば、オフィス以外の場所でも働くことが可能になります。
営業活動の合間時間や移動時間をより効果的に使うことや、子育てや介護などと両立しながら在宅で働くこともできるようになりますし、出社を前提としない、あるいは、勤務地を限定しない多様な働き方を制度として用意することで、社員に一層長く仕事を続けてもらうことが可能になります。
③サービスの質や生産性を向上できる
ICTの導入でコミュニケーションが円滑になり、働き方が多様化する、働き方の自由度が高まることは、結果としてサービスの質や生産性向上へと繋がります。例として、定型的なルーティン作業を自動化することで、そこに割いていた時間を分析したり思考を深めたりするなどの人ならではの非提携業務に使う事も可能になります。
ICT化の進め方
ICT化を進めるときは、どのように進めればよいのでしょうか。
①社内のITリテラシーを向上させる
ICT化への不満として「システムを使いこなせない」「操作が難しい」などの声があがることがあります。その対応として、ICTツールの使い方の研修はもちろん、セキュリティ面の研修も必要になります。
②現場の声を取り入れる
ICT化には現場の声を取り入れることがとても大切で、現場を十分に理解せずにICT化を進めてしまうと、実態に沿わなくなるため、かえって生産性が下がる恐れもあります。
その為、ICTツール導入の際は、自社の業務内容や働き方をよく分析したうえで導入検討が必要になります。
③ICT化後効率が上がったかを調査
ICT化した後に、実際期待する利用効果を得れたか、や従業員の方から不満が出ていないかなどを調査し、修正できる点と社内説明する点を洗い出し対応していきます。
「DX」とは
IT化と似た用語のひとつに「DX化」があります。IT化と同じく近年注目を浴びている言葉ですが、意味や目的が異なるのでその違いもおさらいしておきましょう。
DXは「Digital Transformation」の略語であり、直訳すると「デジタル化による(社会・ビジネスの)変革」という意味になります。「全ての人々の生活をデジタル技術があらゆる面でよりよい方向に変化させる」というコンセプトのもとに作られた概念です。
デジタル技術を駆使して、企業経営や業務プロセスそのものを根本的に改善していくような取り組みのことを指します。
例えば、「利用情報からユーザーの購買行動の傾向を分析して、別の商品やサービスを提案する」や「陸路での輸送が困難である場所に、ドローンを使って物資を運ぶ」などがあげられます。
ICT化とDX化の違い
ICTとDXは、デジタル技術を利用する点は同じですが、ICT化とDX化の最大の違いは「目的」となります。
ICT化の目的は「局所的な業務効率化とコスト削減」で、
目線は業務本位であり、業務効率化や人員削減、経費削減といった用語と親和性があります。
一方でDX化はICT同様「デジタル技術を利用する」という点については同じなものの、「大局的なビジネスの変革」を目的にしており、目線は消費者・従業員本位であり、顧客接点(UI)、顧客体験(UX)、個別最適化といった用語と親和性があります。
DX化はICT化の先にあるもので、ICT化による業務効率化の実現が、DX化を成功させる糸口となります。
ICT利用事例
ICTの事例を簡単に記載します・
①教育現場
教師による電子黒板等を用いて課題の提示を行い、
生徒はiPadなどの情報端末を用いて,各自の可視化されたタスクの可視化を行い、進捗と学習内容をリアルタイムで
教師へ共有するなども可能です。
②医療現場
医療現場では、緊急往診に代わる手段としてビデオチャットを用いたオンライン診療、遠隔(オンライン)診療や
高齢者施設にWebカメラを設置し、医師や看護師とオンラインで繋ぐことで体調情報共有したり、
医師や薬剤師間の電子版お薬手帳による確固たる過去服薬履歴共有を実施したりする事が可能です。
③介護現場
施設のスタッフ間や外部のケア関係者と正確な情報を共有したり、介護ルートをAIで予測なども可能です
また、弊社提供サービスShiftmationのように効率的な業務分担、シフト作成業務の軽減する事も可能です
まとめ
ICT化が働き方改革で必要な理由やそのメリット、具体例などついて解説しました。
現代のビジネスで欠かせない存在となったICTツールですが、企業が抱えている業務課題の多くは、ICT化を推進することで改善できる可能性があります。
ICT化で課題を解決するためにも、まずは自社の課題をしっかりと把握することが大切です。めまぐるしく変化するビジネスの世界で、的確なICTツールを上手に使えるようになるために、この記事を参考にしてみてください。
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